入国規制の緩和が始まりつつある今、
海外への期待は更に高まる?
前回、読者アンケートで要望の多かった「ヨーロッパ」より
スペイン・アンダルシアの気分をお届けします。
――― スペインの現状はいかがでしょうか。
平橋:スペインにおける警戒事態宣言は6月21日をもって終了し、スペイン政府は7月から外国人観光客の受け入れを発表しています。観光地については、マドリード・プラド美術館やバルセロナ・ピカソ美術館、グラナダ・アルハンブラ宮殿などは既にオープンしている状況です。
国内間の移動についても、周囲からは夏のバカンスの話題が聞こえてくるなど、様々な活動が徐々に再開しているようには感じますね。
安全に海外旅行へ行くことができるようになりましたら、是非「モンテフリオ」にお越しいただければと思います。
平橋: アンダルシアにある、モンテフリオという村はご存知でしょうか?
スペイン南部に位置するアンダルシア地方には「白い村」と呼ばれる美しい村がいくつかあり、その中でも2017年ナショナルジオグラフィック社に「世界で最も美しい10の村」として選ばれたのが、このモンテフリオです。
他の「白い村」と呼ばれるカサレスやミハスなどとはまた一味違った、素朴な雰囲気が漂う村です。斜面に立ち並ぶ白い家々に、切り立った丘の上に建つビリャ教会。実はまだまだ日本人観光客にとってはあまり知られていない場所ですね。
平橋: アンダルシアは、711年に上陸したイスラム教徒の支配が800年近く続いた地域で、イスラム文化の影響を色濃く受けています。例えば、コルドバのメスキータ、セビリアのアルカサル、グラナダのアルハンブラ宮殿などは勿論、白い村々もイスラム教徒が造ったもの。
また、フェニキアやカルタゴ、ローマといった様々な所からも影響も受けているので、紐解くように歴史をなぞりながら観光をされると、更に面白みが増すかもしれません。
平橋:アンダルシアは「世界一のオリーブオイル生産地」としても有名で、この地域のオリーブ畑だけでスペイン全土の60%以上を占めます。ここモンテフリオの産業も9割が農業、その多くはオリーブに頼っており、収穫時期である11月から2月は多くの出稼ぎ労働者がやってきます。
アキコ:モンテフリオへ向かう道中はオリーブ畑がどこまでも果てしなく広がっていましたね。樹々は規則正しく等間隔に並んでいるので「チェスやオセロ盤」のようで、映画や絵本のワンシーンを想像させる景色でした。
平橋:スペインのオリーブの種類を調べたところ、なんと567種。これは私も驚きました。大きな梅干しサイズからピーナツの大きさまで大小さまざま。
なので、オリーブオイルはもちろん、エクストラ・バージンオイルであっても質や味は多種多様です。テイスティングでは、ブランデーを飲む時のように掌にグラスを乗せ、回し、香りを嗅ぐ。そして、ワインのように味わいます。
通常、良いオイルは最後に喉を通る時に刺激があります。良いオリーブオイルはそのままサラダにかけるだけで美味しくいただけますが、アンダルシアでは夏のスタミナスープであるガスパチョに使用します。朝は焼いたパンの上にすり潰したトマトを乗せ、その上からオリーブオイルを垂らすだけでヘルシーな朝食になりますね。
アキコ: 最初アンダルシアの人々からは少しシャイな印象を受けていたんですが、徐々に打ち解けていく中で、分かったことも色々あります。
1つ目は、とてもチャーミングだということ(笑)。朝食の時に1人の女性と仲良くなったんですが、唐突に「私がオリーブオイルの一番美味しい食べ方を教えてあげる!」と言い出して。で、そのまま何もなくただオリーブオイルを掛けて…私にハイって渡して「私が掛けてあげたから、1番おいしいでしょ?」って。ツッコミそうになりましたけど(笑)。その時は思わずフフって和みました。
2つ目は、身の回りの大切なものを、より愛情を持って接している点でしょうか。オリーブの収穫の際も「実を収穫するときは、木を傷めないように」とか「幹を揺らさず、枝の方を狙って、木を傷つけないでね」とよく言われました。収穫時は手作業ばかり、それぞれの工程1つ1つはとても丁寧なものでした。
仲良くなると家族のように温かくも迎えてくれ、あちこちでとても愛情を感じます。
――― 最後に、読者の皆さまに向け一言お願いします。
平橋: 世界中を旅される方の多いベルトラ読者様に、2回目以降のスペインには「歴史溢れるモンテフリオ」でのんびりされるのがピッタリだと思います。是非、モンテフリオで穏やかな時間を過ごしていただければ嬉しいです。
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あとがき:
実は、高知県安芸郡安田町とモンテフリオは姉妹都市。スペインに10年以上住まれた平橋氏が実際に仲介をされたのも、平橋氏が高知出身だったことがきっかけの一つだそうです。ちなみに「高知県民とラテン民族は似てる(!?)」とのこと。
次回は、夏に向けた国内シリーズの第一弾、屋久島をお伝えします。どうぞお楽しみに。(VELTRAマガジン編集部)
◆#4. Taiwan: 母と娘と、台湾と。
◆#3. Australia/Perth: ユーカリの風が吹く街
◆#2. Hawaii: ハワイの人は、なぜか、やさしい。
◆#1. Finland: 身も心も「ととのう」サウナと幸せの国