[特集] もし、今海外に行けるとしたら。

#3. Australia / Perth

旅行が再開されたら、次は暮らすように旅がしたい!

今回は、エキゾチックな大自然と朗らかな人々が共存する、肩の張らない不思議な街「パース」について取材を行いました。

◆今回の取材:
吉澤 英樹 氏(以下、吉澤):西オーストラリア州政府観光局 日本局長
VELTRAアコ(以下、アコ):ベルトラ株式会社 西オーストラリア担当
 

ユーカリの風が吹く
世界で最も住みやすい街

――― パースとはどんな都市でしょうか。
吉澤: オーストラリア大陸の南西部に位置する第4の都市です。生活コスト・犯罪率・教育レベルなどを総合評価した「世界で最も住みやすい街ランキング (※1) 」などにも選出された、居心地の良い都市です。

311(2011年東日本大震災)発生後しばらく直行便はストップしていましたが、昨年2019年9月より直行便が就航されたことも記憶に新しいかと思います。

パース居住者のみについて申し上げれば、全員が回復し、COVID-19感染者は現在おりません (※2) 。州内の観光は再開されましたが、オーストラリアは衛生基準が高く検疫なども厳格な国なので、そういった点も感染者数の少なさに影響しているかもしれません。
※1…英エコノミスト誌による調査 / ※2…6月11日時点

あと、変わった点を挙げるなら「爽やかな風の吹く街」ということでしょうか。

――― 爽やかな風?
吉澤:はい。インド洋に近いので非常に風も強いですが、その中でもパースっ子が「フリーマントル・ドクター」と親しみを込めて呼んでいる午後に吹くユニークな風があります。

午前中は大陸からインド洋へ、午後は逆風が吹きます。海からフリーマントルという港町へやってきた風がスワン川を遡り、ユーカリの木の多いキングス・パークにぶつかる。潮風とユーカリミントの爽やかな風が街中を駆け巡り、気温を和らげ、癒してくれるから自然(風)のドクターですね。

敏感な方だと、パースの空港に到着した辺りからこの香りを感じるのではないでしょうか。9月には3,000種ものワイルドフラワーが集まるフェスティバルがあるので、その時期は花の香りにも満たされますよ。


VELTRA社員アコ (ランセリン砂丘にて)

――― 他にパースのおすすめポイントは何でしょうか?
アコ:個人的におすすめしたいのは「梅雨のパース」ですね。

私はちょうど1年前にもパースへ行きました。6月だったので「雨季か…」と実は残念がってたんですけれども(笑)。パースは年間200日近く晴れる場所ですし、旅先の雨ってどことなく憂鬱ですよね。

ただ、”日本の梅雨”を想像していたのですが、実際は全く違いました。

雨上がりのパースって、かなりドラマティックなんです。雨自体もサッと降ってサッと止むようなシャワーばかりだし、雨が降っているのに晴れていたり雨粒で樹木が瑞々しく輝いていたり。以前ガイドさんと一緒にワイナリーを巡ったときは、ヴィンヤード(葡萄畑)に虹が掛かる場面に何度も遭遇したので本当に美しかったですね。滞在中は「寧ろ雨がきれいだな」と感じるくらいでした。


「世界一幸せな動物」と呼ばれるクオッカ

自然と共に生きる
先進的なパースの取り組み

吉澤:他のパースの特徴としては、”サステナブル(持続可能)なエネルギー創出” に積極的に取り組んでいる点でしょうか。

パースで有名なクオッカが多く生息する「A級自然保護指定の国立公園」であるロットネスト島では、早くから再生可能なエネルギーの創出に取り組んできました。こちらでは風力発電と太陽光発電によって島の約45%もの電力をカバーしたり、海水を淡水に変える装置で1日約50万ℓもの水を作り出すことに成功しています。

島内では”再生可能エネルギーについて学ぶスタディツアー” なども体験できるので、日本からの留学生や教育団体グループも大勢いらっしゃいますよ。近年世界中で注目されているSDG’s (※3) に沿ってプログラムも開発されています。
※3…Sustainable Development Goals:世界で達したい17の目標と、169の達成基準から成る、国連による持続可能な開発目標。


過酷な環境で咲く
ワイルドフラワー

吉澤:西オーストラリアを語るうえで、ワイルドフラワーは欠かせませんね。

ワイルドフラワー とは、さまざまな自然環境に適合して自生している野生の花々です。西オーストラリアには12,000種ものワイルドフラワーが存在しますが、そのうち8割はここでしか見ることのできない固有種だと言われています。カンガルーの形のようなものから、山火事にならないと種を蒔かないものまで、色・形・匂いで受粉を促し進化してきた野生の花々には人を飽きさせない魅力がありますね。

アコ:パースでは至るところにワイルドフラワーが飾られていましたね。マーケットもありますし、生花のブーケの他、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなども多く見かけました。

花のある暮らしってなんだか豊かですよね。お花って高価ですし。そういったものを家に飾ったり、身近な日常に取り込めるような”心に余裕のある生活”って本当に素敵だなと感じます。

吉澤:他にもパースは見るべきポイントがたくさんあります。まだまだ語りたいポイントが多くあるのですが(笑)。本当に語り尽くせない程魅力的な要素が多い街なんです。

西オーストラリア州政府観光局 吉澤氏

――― 読者の皆様へ、最後一言お願いいたします。
州都パースでは、“暮らすように過ごす”ことが旅を楽しむポイントです。スワン川のほとりに位置した緑豊かな美しい街、どこまでも広がる青い空、街中にあふれる緑とユーカリの香りが漂う街。

情勢が落ち着きましたら、年間を通して温暖な地中海気候と素晴らしい自然に恵まれたこの街に、また是非お越しください。


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パースをもっと知るなら?

■ ワイルドフラワーの旅:
春を謳歌する、世にも珍しい12,000種の花々。春の時期(8〜11月頃)になると、鮮やかな色や個性的な形の花々で広大な大地は美しく彩られます。
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■ はじめてのパース:
西オーストラリアには世界遺産に登録されている国立公園や、美しいビーチ、人懐っこく世界一幸福な動物「クオッカ」など、見どころがたくさんあります。
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あとがき:
今回泣く泣くカットしたのですが「七つの大海、インド洋と南極海が交わるルーイン岬」や「パールダイバーとして活躍した日本人の話」など、魅力的な話題がとにかく尽きない、西オーストラリア!はやく行ってみたいものですね。次回「台湾編」もどうぞお楽しみに。(VELTRAマガジン編集部)
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